カテゴリ:03-学習指導と評価・研究推進
2024年 1月 25日 (木) . 第3回授業研究~4年生国語「推敲」
研究テーマ
自分の考えを分かりやすく表現できる児童の育成
~「書く」という表現方法を通して~
今年度最終回,中学年ブロック4年生の授業研究を行いました。
単元名は「備えあれば憂いなし」。「書く」内容は防災関係の備えを訴える文書。社会科との教科横断的な位置づけにしています。自分が主張したいこと,その理由,具体例の提示,呼びかけ……これらをどのように構成したら良いかを考えながら,文章化していきます。その過程で必要になる「推敲」を本時のお題として位置付けました。
授業の流れをざっくり言ってしまうと…。これ↑を実践的に学ぶために,指導者が意図的に「突っ込みどころ」を仕込んだ文章を提示。それをみんなで検討しながら推敲の作業を行う,となります。
推敲にかかる資質・能力を身に付けることとあわせて,最終的には相手意識(今回のターゲットは家族)や,目的意識(わかりやすく心に届くように)を持って,文章を完成させるというところまで到達します。
まずは「書き方マスターシート」で推敲のポイントを確認し,それを形にするための「合言葉」(内容は企業秘密!?)を念じ続け,推敲作業に入ります。
ここでは今年度導入したカラー印刷機が大活躍。
児童の手元に置かれる,推敲対象の例文,端末やスクリーンに提示される画像,構成シートがすべて,情報の属性ごとに色分けされ媒体を超えてリンクしています。これによって,児童の皆さんは自分たちがしている作業の中身(今自分が扱っている情報って何なの?)を,無理なくきちんと自覚し,頭の中で整理することができます。
そのうえで,一人ひとりが自分の手元で行っている推敲作業をクラスで共有する局面に入ります。ここでは一人一台端末がこれまた大活躍。
Googleドキュメントの「共同編集機能」を使って,児童の皆さんから集約された「朱入れ」箇所が,ワープロ画面上に色分けされながら反映されていきます。それを見ながらさらに推敲を重ねていく……。チョークとトークとワークシートだけでは成しえなかった,学びの共有がリアルタイムで展開していました。
もう一つ,指導主事から高く評価していただいたのが,座席配置にかかる配慮です。
ひとつは,コの字型にして児童がお互いに顔を見あって対話する環境を整えたこと。加えて,ペアワークの際の学び合いの効果を高めるための座席指定などもしており,一人一台端末をあえて二人一台にすることにより,端末操作のノウハウまでをも共有することができるように工夫してあります。
児童の皆さん,かなり濃密な時間を過ごすことができたと思います。
事後の研究協議では,上記のことについて改めて価値づけをするとともに,指導主事からご指導をいただきました。
「ところで今日の授業,国語科なのに全編“横書き”だったけど,これってどうよ!?」みたいな先生たちの疑問を拾っていただき,年度当初の「これからの“国語科”が目指すものって何?」に立ち返りながらお話をいただきました。生成AI,ワープロで思考・推敲…。我々もアンラーンとアップデートをしていかないと……。
加えて,極めて基本的なことについてもご指導をいただきました。発達の段階,学年段階に応じた指導事項などの再確認をきちんとするように!ということです。
これ,先生たち,意外とできていません。国語に限らず,どんな教科等でも。“わかったつもり”になっていることが多いです。学習指導要領が示している内容とその趣旨に立ち返ることの大切さについて再確認しました。
公開日:2024年01月25日 14:00:00
更新日:2024年06月13日 09:36:58