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カテゴリ:03-学習指導と評価・研究推進
第2回 小中一貫の日~教科指導に視点を置いて -
今年度2回目となる小中一貫の日は,本校を会場として,教科指導に焦点を絞った研究協議を行いました。教科ごとに分かれた分散会では……
中学校一年での授業開きや新しい単元や題材に入るときに,小学校での既習事項はどんな風に振り返っているの? 発達の段階に即した「学び方」の系統性ってどうなってるの? 同じ問題解決型の学習スタイルを取り上げても,学年段階で扱いが変わってくるのだと思うけれど……。例えばこの単元のこういう観察から課題を見つけていくような場合って……。
どの教科グループもメモを取っていったらキリがないくらい,密度の高い研究協議をしていました。
特にわかりやすくてよいな,と思ったのは,小中学校それぞれに「相互に」配布されている教科書を見ながらの協議でした。今どきの中学校の英語の授業は,もう,昔と違って,いきなりこういうところから始まるんですよ! えっ?どれどれ(と中学校の教科書を見開いて確認してみたり……)
教科書採択の年ごとに,小中お互いの教科書(学習指導要領が最もわかりやすく見える化されている「書物」,といってもよい)を見開きながら,こんな研修が続けられるとよいな,と思いました。
本日の取組は,年明けの授業研究へとつながっていきます。公開日:2024年11月06日 16:00:00
更新日:2024年11月06日 19:55:16
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研究授業~3年生国語 -
研究テーマ
自分の考えをわかりやすく表現できる児童の育成
~すすんで書こうとする児童の姿を目指して~中学年ブロック,3年生で研究授業を行いました。今回のお題は「間違いを正したり相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして,文や文章を整える」ということ。音楽科のリコーダーの授業でお世話になったゲストティーチャーという「相手」に向けて,練習成果の発表会の招待状を書くことを通して,この資質・能力を身に付けるという設定でした。
ただ「ご招待します。聴きに来てください」ということを伝えるだけではなく,ご指導をいただいて一生懸命練習したことやその成果にまつわる「思い」がちゃんと伝わるように,という「目的」を意識して書き,それをグループのメンバーで確かめ合い,整える,という学習活動を展開しました。
事後の協議会では,学習材の設定の適否から始まって,文や文章の確かめ方や整え方の手立てについて様々,意見を交わしました。大変充実した機会になりました。●学習指導上の位置づけ
B 書くこと
(1)書くことに関する次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 相手や目的を意識して,経験したことや想像したことなどから書くことを選び,集めた材料を比較したり分類したりして,伝えたいことを明確にすること。
イ 書く内容の中心を明確にし,内容のまとまりで段落をつくったり,段落相互の関係に注意したりして,文章の構成を考えること。
ウ 自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして,書き表し方を工夫すること。
エ 間違いを正したり,相手や目的を意識した表現になっているかを確かめたりして,文や文章を整えること。
オ 書こうとしたことが明確になっているかなど,文章に対する感想や意見を伝え合い,自分の文章のよいところを見付けること。公開日:2024年09月26日 08:00:00
更新日:2024年09月30日 09:46:21
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夏休み明けも,研修,おさらい… -
夏休み明け,昔だったら,半日日課(「半ドン」といっていた時代もあります(笑))がしばらく続いて,それから給食再開,なんてこともあったのですが……。今どきの先生たち,学校再開初日からフル稼働しています。児童を早く帰して,「銀の時間」対応や授業準備にあててもよいのですが,日々研究と修養を怠りません。
一つは還流報告会(カンリュウホウコクカイ)。8月の初めに開催された教育委員会主催の教育課程研究会で部会ごとに提案,協議された内容を共有するための会です。教科担任制の中学校とは違って,学級担任がほぼすべての教科指導を担当する小学校では,このような共有の場が必要になります。
他にも英語力向上の指定校になっている関係で特別に受講した研修会の報告,教科書(国語科)の編著者を講師として招聘した研修会なども……。
研修成果を,日々の授業実践に反映させていきます。●6月の教育課程研究会
https://e-negishi.yokosukacity.andteacher.jp/modules/hp_jpage12/blog_detail.php?page_parent=659●昨年の還流会
https://e-negishi.yokosukacity.andteacher.jp/modules/hp_jpage12/blog_detail.php?page_parent=270公開日:2024年08月30日 10:00:00
更新日:2024年09月05日 11:55:23
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夏の研修2-図工~一版多色で版に表す -
今年も,本校を会場として,図画工作科の研修会を行いました。
今年のお題は一版多色版画。その名の通り,一つの版(木版)に多数の色をのせて刷ることができます。白黒の版画(彫ったところが紙の地色で白くなる)とはまた違った表現の可能性がある技法になります。
今年も市内の小学校からたくさんの先生たちが参加して,夏休みのひと時,いつも駆け足の学校時間からは解放されて,じっくり取り組んでいました。●昨年の研修会 紙版&糸のこ併用型題材
公開日:2024年07月25日 11:00:00
更新日:2024年08月16日 11:20:19
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夏の研修1-ICT研修~Canva編 -
任意参加型ICT活用研修は,夏休み中も継続しています。今回のお題はCanva。
急速に普及を始めているこのアプリを授業でどう活用できるか……まずは体験してみました。
レポート類の体裁を整えることを目的にすると,教科等の本質をそれてしまうし,図画工作の視点からしても大切な体験活動をショートカットしてしまうことも懸念されます。では,活用のねらいとか価値って何なの? そんなことも併せ考えながらお試し体験をしました。
あらかじめ用意されている素材の数々を使えば,それなりに“映え”のする文書がすぐにできてしまいます。一枚ポートフォリオのような形で,学習内容をまとめるのには最適……。あれこれ指導実践経験のある先生からは「センスの良し悪しとか技能の差が表れない分,教科等の指導のねらい,本質部分に注力させることができる」というようなご利益が紹介されていました。
この後どんな活用が始まるか……お楽しみに!●前回の研修会 ミライシード編
●関連記事 体験をショートカットさせてはいけない
公開日:2024年07月24日 16:00:00
更新日:2024年08月16日 11:04:29
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夏休み前対策保護者合同全体会~学警連 -
標記の会合に,担当者(個人面談を優先)の代理で出席してきました。ガッケイレン(=横須賀南警察署管内学校警察連絡協議会)……学校業界,特に中学校ではかなり高い認知度の組織です。その協議会の主催で,夏休み前にこのような会を開催しています。
今回のお題はSNSトラブルに象徴されるような,子供たちを取り巻くネット環境にまつわることでした。会の概要は次の通り。関係諸機関あいさつ
会の冒頭で「関係諸機関あいさつ」のコーナーが設けられ,警察,教育委員会,児童相談所の方から,お話をいただきました。「あいさつ」というのは形式上のもので,実態はかなり内容のあるお話でした。例えば……警察の方からのお話➡SNSトラブルは保護者の責任で回避すべきものです。端末を持たせたその瞬間から,様々なリスクを抱えるのだということをきちんと自覚して,指導する覚悟を持ってください。スマホに子守をさせないように,ということも強調したいです。ここでお話したことは,学校だより等で広く拡散していただくことを前提に考えました。最後にそれを申し添えます。(★このように発信させていただきました)
ご講演
演題「子どもたちを取り巻くネット環境,現状,スマホ依存,家庭でのかかわり方や対策について」
講師 久里浜医療センター 前園真毅 先生
前園先生のご講演の結びでは,夏休み中のスマホ依存を回避するための手立てをいくつかご教示いただきました。
・(使い方の)約束は守れないものと考える
・端末に「向き合わないで良い」時間を増やす
・先にイベントを組んでしまう(キャンプなどでネット環境を遮断する)
・上記のようなデジタルデトックスの機会をブラス思考で設ける
・貸すだけ、持たせない(端末は保護者が管理する)
・消費より創造の時間を増やす
加えてこの動画をご紹介いただき、一緒に視聴してご講演を終えられました。
dtacタイ 提供 https://www.youtube.com/watch?v=Kxnt7v7-ANo分散会(地区別情報交換)
最後に地域ごとに分かれて,保護者の皆様を交えて情報交換をして,夏休みに備えました。公開日:2024年07月08日 15:00:00
更新日:2024年07月11日 10:38:01
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ミライシード活用研修 -
休憩時間(15:40-16:25)返上型,任意参加のICT活用研修を行いました。今回のお題はミライシード。使い慣れるとあれこれ便利な機能満載なのですが,そのご利益を実感できるまでにはなかなか……という教員も一緒になって,それぞれのニーズに応じた研修を,ワークショップ形式で行いました。
朝学習や授業の導入で使えそうな技,児童の思考をみんなで共有し,そこから学習を展開するための活用例紹介など,短時間で様々な活用方法を研修しました。
公開日:2024年06月25日 13:00:00
更新日:2024年07月01日 09:21:57
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教育課程研究会第1日目 -
研究主題・副題
資質・能力を育む教育課程の編成と教育活動の工夫・改善
資質・能力の育成を促す単元(題材)構想と教師の指導改善今年度も教育課程研究会が始まりました。本日はその1回目。新しい学習指導要領が完全実施になってから5年目に入りました。概ね10年に一度,改定されるので,ちょうど折り返し地点に差し掛かったことになります。
本日のお題は単元や題材などちょっぴり長いスパンで指導のありようをとらえなおして,そこで育成できる資質・能力って何?どうしたらより指導効果をあげられるの?というような内容です。
図らずも,現行の学習指導要領が完全実施になった年はコロナ禍の影響で,最初の3か月間が奪われるという事態に見舞われました。教科書をいつも通りに進めていたのではとても終わりません。でも,単元や題材で扱いが重複する資質・能力ってあるはず。だからすべての教科書掲載単元(題材)を扱わなくても,大方の学習内容は網羅できるはず……。
普通に考えれば危機的な状況に陥ったわけですが,奪われてしまった授業時数を何とか内容の扱いで取り戻す過程で,皮肉にもこの「資質・能力」と単元(題材)の関係に目を向けざるを得なくなった,コロナがそうさせてくれた,という経験を私たちはしています。
混乱の中にありながらもこの研究会ではこれまで,大幅に変更された学習評価の在り方を確認したり,指導と評価の一体化などを扱ったりしてきましたが,5年目にしてやっと,このテーマにたどり着くことができた,ということになります。
教育委員会からのご指導の中では,昨年度も扱った単元(題材)構想に加え,「振り返り」の充実,ということがキーワードとして示され,それぞれ教科等の部会ごとにこのテーマについて扱いました。●去年の教育課程研究会 こちら
公開日:2024年06月12日 15:00:00
更新日:2024年06月13日 11:00:53
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第1回 小中一貫の日~一人一台端末の活用は? -
今年度第一回目の大津中学校ブロック、小中一貫教育の研究会を行いました。市内全中学校ブロックが同時多発的(本日が指定日)に行う研究会で、横須賀市教育委員会が鳴り物入りで始めて9年目を迎える(つまり今の中3生徒はその環境下で9年間学んできた!)、一大教育施策下の研究会という位置づけになります。
大津中学校ブロックの今回のお題は「一人一台端末の活用状況」。中学校の全クラスで公開授業をしていただき、その参観と事後の協議を通してこのテーマと向き合いました。同じ日の同じコマの授業で全学級が一人一台端末を活用する、などということはその必然性から考えてほぼ有り得ないことなのですが、中学校の先生方にはこの“指定日”に合わせて授業の進度調整などを行い、端末活用の局面を設定していただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
教育委員会による指定日とはいえ、午後の授業をカットしてまで、お隣の中学校の授業を参観しに行く意味と価値って何なのか……そのことをずっと考えながら、授業会場を回り、協議会に参加しました。
小中学校の先生たちが一堂に会するこの小中一貫研究会の「ここでしかできない」「ここだからこそできる」研究協議って何……? そんな視点を持ちながら、グループ協議の中身に耳を傾けます。
そこでは、私の中に二つのキーワードが浮かんできました。「縦方向」、「横方向」という二つでした。なんだ、中島みゆき かよ!?なんて突っ込まれそうですが、ちょっと違って……。▶ 縦方向
まあ、この小中一貫研究のメインテーマが学びの連続性とか系統性なので、この縦方向問題を扱うことになるのは当然のことです。教科等の指導の本質部分の「縦方向」はもちろん押さえておかなければなりません。
ここに一人一台端末という要素が加わることで、問題はちょっぴり複雑に絡み合ってきます。
小学校低学年ではどのくらいまで端末を扱うことができればよいの?ローマ字を学習するのは3年生だから、キーボード入力というよりは、手がきでしょうかね。文字でも絵でも…。感覚的な(=学習指導要領用語でいうところの「体全体」)要素を多く扱うことになるでしょうか……。そもそも端末活用はまだ,早いかも。
学年が上がるにつれて、相手意識や、異なる情報を結び合わせるアナロジーみたいな能力も発達するので、調べ学習のための閲覧ツールとしてや、他の学習者の考え方を比較対照するような局面での活用能力が求められるようになり……。そういう使いこなし経験を踏まえて中学校段階を迎えることができると、端末活用の幅を一気に広げることができ、学習にもバリエーションや深まりが増してくる。各グループから断片的に聞きとった発言をつなげると、たぶん、こんな感じになります。その一方で……
▶ 横方向
授業開始前に指導主事を交えた校長室での会話の中で、このことがちょっと話題になりました。「一人一台端末の導入段階では、小学校の先生たちの方があれこれ有利なのではないかい?」というようなことです。
つまり、中学校の先生たちは教科担任制なので、自分の担当教科の指導内容に照らした端末活用のノウハウや実践が単元・題材ごとに単発で積み上げられていく。だからひとたび端末活用をしない選択をすると、それっきりになってしまう、のかもしれない。だから、端末の導入が進みにくい。それに対して……。
小学校はほぼ全教科を担当しているので、一人一台端末の活用についても、教科横断的な視点を持ってすすめることができる。教科等ごとの学習内容や見方・考え方については固有のものがあるのだけど、学習の進め(み)方、学び方については、結構、共通するものがある。だから一回(一つの教科等で)、端末活用のご利益を実感できると、他の教科等でも使ってみようという発想が生まれる。それが連鎖していく……というような、横方向の広がりができてくる。これもまた、これと全く同じことをグループごとに話し合っていたわけではないけれど、小中学校間のシゴト環境の違いから、こんなことが見えてきたのではないかな、と思いました。
小中学校の先生たちが直接,話題提供を通し,これら縦方向と横方向の要素がクロスするところから、一人一台端末活用の新たなアイデアとか、答えみたいなものが見つかるような気がしています。この後、各グループから報告が上がってきます。先生たちそれぞれに、どんなことを考えていたのかな……レポートの中身に期待しています。
●これまでの「小中一貫の日」
2023年度 5月 第1回 | 11月 第2回 | 1月 第3回●関連記事(授業実践)
2023年 6月16日 (金) 端末活用はどうなっているのか
2024年 1月25日 (木) 4年生国語「推敲」
2024年 2月 1日 (木) 5年生 図形公開日:2024年05月08日 17:00:00
更新日:2024年05月27日 13:15:41
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2023年 5月 15日 (月) 主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)って? -
GW終りから一週間後の雨降りの週あけ,皆さんの様子が気になって,教室をひと回りしました。併せて今日の視点は……「主体的・対話的で深い学び」。
「主体的・対話的で深い……」は,このサイトでもたびたび登場させましたが,これとセットで示されることのある「(アクティブ・ラーニング)」(以下「AL」)の方は,あまり前面に出してきませんでした。
文部科学省の方でも,カタカナ言葉の採用には慎重な立場をとるため,この「AL」の方は表に出したり引っ込めたりしながら,新学習指導要領の告示を迎えた経緯があります。
本文からは姿を消したものの,『総則』の解説編などでは( )に収めて添えられる形で落ち着きました。
「AL」はもともと,講義中の大学の学生たちに居眠りをさせないために,主体的に参画させるノウハウを検討する中で生まれた発想です。さすがに小学校で居眠りをしている児童はそんなにいるわけもなく(ゼロではありませんが),小学生にとっての「主体的・対話的で……」ってどういうこと? というようなことを考えながら教室を回っています。
写真からも……先生やほかの児童との対話,ほかの児童の考え方との対話,資料等様々な情報との対話……様々な対話の姿があることがわかります。
あとは,これに「深い学び」がどう伴うか……ということになります。これには,学習内容が本当の意味で「自分ごと」になっていかなければならないのだろうな……と思います。すでにそうなっているケースも,もちろんあるのですが。
「深い学び」と「自分ごと」についてはまた改めて,話題にしていきます。公開日:2024年04月08日 16:00:00