カテゴリ:04-先生が足りない(-_-;)!~補欠授業奮闘記
2022年 4月 28日 (木) 先生が,足りない!~補欠授業レポート
「○○小学校では監督までもがバッターボックスに立っている!」。前任校ではかなり長い期間,こんな風に揶揄され続けていました。
先生が足りない,かといって授業に穴をあけるわけにはいかない。でも,やっぱり先生が足りない。だから校長が補欠授業に入る……。まあ,そこまで行かなくても,15人制のラグビーを12,3人で戦うような状況は横須賀の小学校では,それほど珍しいものではありません。普通に考えたらとても勝ち目のない戦いになるのですが,そんなことは言っていられません。ギリギリの状態ででも,戦い続けなければなりません。
というような諸事情が本校にもあって,今日は2年生の算数授業の補欠に入りました。ミッションは“自習監督”ではなく“授業”です。お題は「ひっ算~たし算の しかたを 考えよう」。
1年生で学習した2位数の加法(2ケタどうしの足し算)を踏まえて,それを筆算でやってみる。筆算でやることのご利益をあれこれ実感しながらその先のステップ(繰り上がりなど)へ……,というのが,この単元のねらいです。
補欠授業に入るのが決まったのは朝イチの段階。3時間目の授業本番までに何とか準備をしなければいけません。他の先生があらかじめ用意してくれていた掲示用の教材の仕上げを何とか済ませ,本時のねらいをささっと把握して授業の流れとゴールを考えます。種々の決裁業務を終えてからだったので,教材研究に費やすことができたのは正味30分ほどでした。
「そんなことでいいのか!?」「けしからん!」とおしかりを受けそうですが,これが小学校の実態です。特に経験の浅い先生たちは,日々の授業がほぼもれなくぶっつけ本番になります。単元固有の指導ノウハウとは別に“教科横断的”な指導技術は蓄積されるので,“ぶっつけ度”の中身は改善されていくのですが。
同じ授業を複数のクラスで改善しながら実践できる中学校の先生に比べると,かなり不利な条件です。
肝心の授業の方は,というと……
まずは何より,“飛び入り”の授業者を温かく迎えてくれた児童の皆さんに感謝したいと思いました。
前時の既習事項の把握が不完全で流れが滞ってしまったり,ノートの使い方の指示が曖昧(中学生向けだったら「そんなの自分で考えろ」で終わってしまうのだけど低学年ではそういうわけにいきません)で“質問の嵐”になった時も辛抱強く付き合ってくれたり……。
前時のおさらいを踏まえて,練習問題に取り組んだ後,次時への“つなぎ”のフェーズに入ります。
二ケタどうしの足し算の場合は,数を縦にそろえて計算すれば,「横」の時よりラクにできる,というのが分かったのはよいとして……,
「じゃあ,二ケタと一ケタの足し算の時はどう書いたらよいの?」 ということになります。この発問に応えてくれた児童に,そのまま「筆算」の形に板書してもらうと……。
「えっ?」「エッ?」「え゛っ?」「えーっ?」……いろんな「え」が飛び交い始めました。
(ムムッ,まあいろいろあったけど,オイシイ終わり方ができそうだぞ!!)
「あれれ?,いろんな“えっ?”が飛び交ってますねぇ,なんの“エッ?”なのかなぁ……。みんな“エ?”って言ってるけど,どう?(板書してくれた“彼”に)」……というような形で,まとめ(体よく言うと「オープンエンド?」)ました。
次の授業はきっと,この「えっ?」からの展開になると思います。どうぞお楽しみに!
★学習指導要領上の位置づけ
2 内 容
A 数と計算
(2)加法及び減法に関わる数学的活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のような知識及び技能を身に付けること。
(ア) 2位数の加法及びその逆の減法の計算が,1位数などについての基本的な計算を基にしてできることを理解し,それらの計算が確実にできること。また,それらの筆算の仕方について理解すること。
公開日:2022年04月28日 16:00:00
更新日:2024年05月14日 10:29:33