カテゴリ:02-働き方改革と一体化したカリ・マネ
本校の働き方改革はどうなっているのか -2
2023年 11月 9日 (木曜日)
先生が足りないなら,仕事を減らせ!
と言ったのは私ではなく財務省。10/11の国の「財政制度等審議会」でこういう趣旨の資料が示されたそうです。
今や労働力人口の減少は日本全体の問題。教育界だけが危機にさらされているわけではない。コンビニや飲食店だって,セルフレジや時短営業で何とかしてるんだから,そういう,民間企業がしているような対策を,学校も見習えばよいのだ。そうできるように,教育行政がトップダウンで実行すべきだ!
あらすじ風にまとめるとこういうことになります。未来を担う子供たちを育てる重要任務があるから,といっても,学校教育だけが特別なのではない。“特別ではない”……森 有礼(初代文部大臣)が聞いたらなんて言うかな……なんてことを即座に考えてしまいました。
勤務負担軽減~横須賀市はまだよいほう?
上の審議会では,前号(9/4付)の『はちの子』(ブログにも掲載)でご紹介した文科省の『教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)』に関連したデータも示されたとのことです。全国的には給食費の公会計化達成率34.8%,勤務時間外の留守番電話化達成率56.1%。教職員の負担軽減策のうち,この2点については,横須賀は達成済みです。
それでもまだまだ改善の余地はあり,個別の案件について私は,具体的な提案をしています。
人探しのためだけに50万円!
先日,学童保育を運営する,NPO法人の方からお話を伺う機会をいただきました。その法人では,アルバイトを確保するための予算を年間で50万円近く計上しているとのこと。これが多いのか少ないのか……。よくわかりませんが,いずれにしても,人材を確保するために相当のコストをかけることが,世間では常識になっているということのようです。
教育委員会には人材と学校を結ぶマッチングアプリのようなシステムの導入を提案&お願いしています。
競争率1.1倍ってどうよ!,どうする?
「先生が足りない」が深刻化しているのは,産休,育休代替の要員についてです。常勤の先生たちは一定供給されているのですが,その採用試験の競争率(1次試験)は今年度,神奈川では1.1倍となりました。少し前までは,3倍を切ると“質の低下”が起こる,と言われていたので,この数字を見て,とんでもないことになっている,と思った人は多いと思います。
「教師を取り巻く環境整備」を「緊急的」に行って,少しでも多くの有能な人材を確保できるようにしなければならない。教育行政も,やっと本腰を入れて対応に乗り出したか,あるいはそれほどの成果は期待できないのか…。
そのために,勉強する!
先生たちには,着任当時から,働き方改革についてこんなことを言い続けてきました。
誰も変えてくれない
だから自分たちから声を上げて変えていく
誰も減らしてくれない
だから自分たちで減らしていく
そのために“勉強”する
県や市の教育委員会は国の施策をそのまま学校におろしてきます。ややもすると硬直化した形で示されることも。それらをすべて真に受けてそのまま日々の業務に反映させると,大変なことになります。とても消化しきれません。だから自校の実態に合わせて「軽重」を付け,持続可能な形で実践すべき! その判断を的確にできるように,日々,勉強せよ!,と。
「先生が足りないなら仕事を減らせ!」……。世論の後押しも手伝って,根岸小学校でも,これが少しずつ,形になってきました。
教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/099/mext_01551.html
公開日:2023年11月09日 16:00:00
更新日:2025年01月14日 09:49:48