カテゴリ:02-働き方改革と一体化したカリ・マネ
本校DX事情
今どきの「本校DX事情」はどうなっているのか,まとめてレポートします。
あわせて,デジタル-アナログ間にある落とし穴にまつわる,保護者の皆様へのお願い事もあれこれ……。
▶ 授業のDX化
コロナ禍下の一人一台端末前倒し配備から3年目を迎えました。すでにお伝えしてきたとおり,その活用はすっかり定着した感があります。例えば……
教科書やノートみたいに
→ 移動教室などの時も携行しています。生活科や理科,社会のフィールドワーク,音楽や体育の授業で自分のパフォーマンス撮影&振り返り,図工で作品の製作,その過程の記録と共有など,あらゆる局面での活用が進んでいます。
普段の「一斉授業」でこそ
→“一人一台の環境”というと,前項のように教室を飛び出して先生も児童もばらばらに離れた状態で学習を進める光景を連想しがちです。意外と注目されていないのが,全員揃っての一斉授業で活用するケース。これまでは,机間指導しなければ把握できなかったことを,先生が手元でチェックできます。子供たちの考えなどをお互いに共有したり,簡単スライドをつくってプレゼンテーションすることなども可能です。また,クラス全体の傾向をいつでも把握できるようになるため,それを踏まえて,その後の授業展開につなげることもできます。今後は,個別最適な学びを,さらに具現化する課題が残ります。
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▶ 欠席連絡のマチコミ化~全学校で
教育委員会は今年度から市内全校での導入・運用を始めました。本校では既に2年前に導入を完了していますが,デジタルとアナログのはざまでは,所在未確認児童対応,という未解決の問題がたびたび生じています。例えば……
児童の欠席確認の流れはおおむね,以下のようになっていますが……。
児童の安全にかかわる問題なので,デジタルのシステムだけに頼るわけにはいきません。最終確認は電話連絡や捜索活動など,アナログでの対応になります。
児童の所在不明時の対応が遅れたり,抜け落ちたりしてしまったことが原因で,最悪の事態を招くようなことがないように,引き続き,円滑な欠席等連絡にご協力をお願いしています。
▶ 校納金等の集金システムにも着手
すでに私たちの日常生活ではキャッシュレス化が加速度的に進んでいます。にもかかわらず,学校の対応は常に立ち遅れてきました。私も保護者の立場では,自宅にコインケースを常備して,(なんだかなぁ……)とか思いつつも,端数までぴったりそろえて,子供に持たせる準備を整えています(-_-;)。
これまで,保護者の皆様から早期導入を,とのお声をいただきつつも,他市町村の動向を見ながら,学校独自での導入はひかえていました。
そのような中でも,今年度から修学旅行費の集金が業者への直接入金方式に切り替わるなど,学校のスピード感にはお構いなく,“学校外”のシステムがグイグイと入り込んでくる,波動のようなものを日々,感じています。
このような動向を受けて,去る4月の市立学校長会議では,この案件への対応を始める旨のお話がありました。給食費と同様に,近年中には教育委員会の主導による,市内全校の一斉導入が実現するかもしれません。
▶ 出怠勤管理システム
出勤簿にハンコを押す,旧来の方式からの脱却を進める旨についても,教育委員会から情報提供がありました。
現行のタッチ方式は,出退勤の時刻を記録する機能しか備えていません。新方式への移行が進むと,教職員の服務管理や学校日誌の作成までをも,一貫して管理できるようになるかもしれません。
こちらは,一見すると児童・保護者の皆様には関わりがないように思われますが,実は密接な関係があります。先日,中教審から出た『5.13まとめ』でも示されたように,教職員の服務を望ましい形で管理することが,教育活動の充実等の形で児童・保護者の皆様のwell-beingにつながるからです。
▶ 教職員向け校務支援システム
横須賀では他の市町に先駆けて導入と活用が進められてきました。活用開始から既に15年以上が経過しています。
教職員間のメール活用や,教務関係の業務,学習評価にかかる業務(評価情報の処理から通信簿,指導要録作成まで)での活用が定着しています。
会議のペイパレス化は,本校では2年前から開始。児童用の端末を介した情報共有システムと合わせて,教職員間の意思疎通にかかる工夫改善が加速度的に進みました。
ただ,学校ゆえの課題もいくつか…。校務用の端末と児童の学習で活用する一人一台端末は,ネットワークの構築過程から別になっています。このため教員は一人2台の端末を使い分けています。教育委員会の指導主事についてはこれに“行政端末”(予算編成等,庁内業務で使用)を加えた,3台を活用しています。
役所はともかく,学校だけでも一本化できるとよいのですが……。セキュリティーとかあれこれ難しい問題があるのかもしれません。
▶ 横須賀は,結構,進んでいる!?
前出の『5,13まとめ』のp.20には以下のような記述があります。ICTは……
個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に必要不可欠なツール/教師の業務負担を軽減し、働き方改革を実現する上でも極めて大きな役割/学校現場に必須のもの/(行政と学校が連携して)学校の ICT 環境整備を進める/GIGA スクール構想の下での校務DXを加速する必要がある/汎用のクラウドツールを活用した教職員間での情報交換の励行/会議資料や各種手続きに係る書類のペーパーレス化/民間企業向けクラウドツールの転用による校務処理の負担軽減/スケジュール管理のオンライン化/学校と保護者等間の連絡手段を原則としてデジタル化
この内容に照らしてみると,横須賀市&本校の取組は,結構,良い線を行っているのではないか,と思います。
教育委員会が整えてくださった環境を縦横に使いこなして,教職員のワークライフバランスを整え,心身ともに健康な状態で児童と向き合う時間や,教材研究に費やす時間を確保していきます。
公開日:2024年06月13日 09:00:00
更新日:2024年06月18日 19:56:45